法令を守るためには業務縮減しかない

 年末も近づいてきました。2学期もあと1か月少々です。2学期は行事が多く忙しいというのが多くの学校の現状ではないでしょうか。

 

 知教労には、知多地域を中心として県内各地の学校について情報が集まってきます。コロナ禍を経て変わったことは、部活は縮小されているが、他の業務は減っていない。むしろ増えているということです。

 

 各種行事はコロナ前に戻りつつあります。(校内行事は多少縮減されているが、教育委員会等から強制される行事が増えていると感じます。)またコロナ禍で、削減された各種研修も従前に戻り、多忙化を促進しています。当然ながら、タブレットの管理などはコロナ前にはなかった業務です。

 

 問題点は何か。新しい業務・行事はどんどん増えるにもかかわらず、何かを減らす・なくすということはあまりないということです。これではどんな創意工夫も効果が出ません。

 

 ほとんどの学校で与えられた最低限の仕事をするだけで勤務時間を超過し、ほとんど休憩できていない状態ではないでしょうか。これは違法であるということを認識しない限り何も変わりません。これは管理職に限らず、我々一般の教職員も認識する必要があります。

 本当に必要なことならば、状況を市町村教育委員会に把握してもらって、人員を増やしてもらうしかないです。(あるいは市町教委が増やした仕事をカットしてもらう)無理なことを続けるから麻痺していくのです。市町役場職員と比べても相当超過勤務時間が多いことは明らかです。

 

 管理職や教育委員会に話を伺うと、やりがいを持てるような職場にしたい、健康は一番とおっしゃる方も多いのです。が、そのための最低条件が勤務時間・休憩時間を守ることです。しかも、これは法令で定められた最優先事項。法令を守るためには、何かを削るしかありません。その取捨選択は校長に委ねられている部分ですが、現場からの発信も必要です。

 

 子どものためにと言い続けて仕事を増やした結果が現状。今は「お客様のために」時々運転手のいないトラックが、荷物を過積載して高速道路をスピード違反で走っている状態です。

 まずいと思って荷物を減らし(業務縮減)、制限速度内にスピードを落とす(超過勤務削減)ことが求められているのではないでしょうか。運転手がいない(教員不足)状態は労働条件の改善からです。未来を担う子供たちのために。

 

・・・人を増やしてほしいというのが本音です。が、これは相当難しいですし、市町村教委が最大限努力しても限界はあります・・・

 

                         2024年11月18日

任意団体との関係の見直しを

 ここ数か月、様々な場面で話題になる任意団体。多くの人は関係ないことのように思っていますが、実は研修や教材選択を行う上で深く関係しています。この機会にぜひ知ってもらいたいと思います。名古屋市では、多数の任意団体が金品受け渡しをしたということで問題になっています。

※名古屋市については→愛教労ニュースに詳細があります。

 

 名古屋市以外ではどうでしょうか。少なくとも教育委員会幹部が酒席への招待されていることは公然の事実であり、知教労では長年にわたり問題を指摘してきました。

 

 さて、ではどんな団体があるのでしょうか。多くの人がかかわるのは教職員会です。毎年いくらかのお金を徴収されています。多くは、教職員研修に関わる会場費などに使われているようです。そのひとつが夏季休暇中に行われる「〇〇市教職員研修会」です。使い方としては悪くはないですが、必要な研修であれば、教育委員会が行い、教育委員会が会場費等を負担すればいいだけの話なので、あえて他の団体が行う必要があるのか疑問です。また加入するかどうか、個別に聞かれないのも不思議です。

 

 愛社研、愛国研等の「愛知県(知多)〇〇科研究会」はかつては半強制的に加入させられましたが、最近は希望者が入るようになってきています。とはいえ、なぜか教科主任になると、学校の担当者として勧誘活動をさせられるというおかしな状況です。しかも公式な団体かのように職員打ち合わせ等で声がけがあります。

 

 同窓会はどの大学にもあり、同じ大学の卒業者同士が仲良くすることは悪くはないのですが、愛教大などの同窓生が作った組織では、名古屋市では、出世のための金品授受が行われ問題となりました。また、教友会なる、愛教大以外出身者の集まりがあるのはもっと不思議です。こちらも昇進の際は書類を書いてもらうなど実質的な学閥として機能しています。

 

 他にも、教育振興会という組織を作り、各種教材を販売しています。また、尾張教育研究会という団体が作っている書写コンクール25円の手本代で書写担当や会計担当が苦労させられていると思います。これは手本1枚に過ぎず、しかも書写の教科書と比べ何も優位性がないため不思議です。コンクールが必要なら教科書を使って各校で行えばいいだけです。

 

 これら教材は半強制的に購入させられるだけでなく、事務手続きで担当者の仕事を増やします。また、外部の任意団体にも関わらず公費で出張して無償で作成しています。教科書ではない副教材の購入は授業担当者に委ねられるべきところ、自分たちで作ったという建前のもと、他の教材より優先し、前年度に購入が決まってしまい、実際の授業者に選択権がないというのも不思議です。(夏休みの友、知多の友、若鮎日記、健康手帳など)

 郷土資料(大愛知・〇〇市)など必要なものは任意団体ではなく、教育委員会が主宰して作成すればいいのではないでしょうか。

 

 他にも各市町村のしがらみで、職員会議での説明もなく唐突に行事や研修が追加されることがあります。文科省は行事の精選で多忙化解消と言っていますが、実態は増加傾向です。

 

 外部の任意団体との関係について見直しが必要ではないでしょうか。

 

                        2024年11月4日

 

【最近の県内の話題は愛教労ニュースもご覧ください】→愛教労ニュース

台風時の対応について

 明日から9月、今年は1日は日曜日ですが、2日には始業式です。ここ数年で、小学校部活が南知多町と阿久比町の一部を除き廃止、中学校部活も縮小傾向になり教員の皆さんは夏休み、少しは休めたでしょうか。

 

 さて、今回は台風など非常時における対応について考えてみたいと思います。かつては、午前6時半までに暴風警報等が発令されれば休校、ただし午前11時までに解除されれば2時間後に登校という2段階でした。しかし、現在は、午前6時半時点で暴風警報等が発令されている場合は休校となりました。

 

 長い時間、授業があるかどうかを考えなくてよくなった点は大きな改善点です。しかし、福岡では8月29日の朝ギリギリの時間に警報が出て、いったん登校させてから、すぐ下校という対応を取り、大きく批判されました。

 

 これから台風が来ることがわかっている場合は、安全策を取って、できれば(前日)児童・生徒が下校する前に翌日の休校を決めておくと混乱が防げます。当日「やっぱり休校です」というのは保護者の立場でも、会社への連絡等で困ります。子どもがいる教員も同様に困ります。

 

 学校現場では「やめる」という選択肢を取るのが苦手です。(運動会の中止など)今回の台風では、一部「空振り」になりましたが、鉄道会社や航空会社では早めの対応を取りました。これには判断が遅くなって混乱したという反省があるからです。学校現場でもぜひ早めの決断をしてもらいたいものです。児童・生徒の安全は最優先されるものですから。

 

                               2024年8月31日

(参考)福岡の事例

https://news.yahoo.co.jp/articles/df822a6a0d4df2c12d81c6e15d461efcc390f94e

 

・県内全域に関するニュースは愛教労ホームページもご覧ください。(月に数回更新)

定額働かせ放題

 ここ数日、マスコミ各社報道や、ネット上で「定額働かせ放題」が話題になっています。文部科学省がNHKに対して、誤解を招く報道だと抗議したようですが、現実的はまさに「定額働かせ放題」そのものです。

 どれだけ働こうが残業代は出ない。これにつきます。

 それは「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(いわゆる給特法)においては、超勤4項目と言われる例外(緊急時)を除けば、職務命令は出されないことになっており、勤務時間外の職務命令は、緊急時以外出されない。よって残業代は支給しないので教職調整額4%のみ支給するということです。

 

 しかし、教育委員会や管理職が理解していないことも多く見受けられます。授業時数は学習指導要領で厳しく規制されています。(但し、県教委は災害や伝染病による減少は想定しなくても良いとの見解で、実際には多くの学校で規定時数よりかなり多いです。)

 そのため、授業時間以外に、各教員が自由に使える時間は1日あたり30分~1時間程度です。この中で、学級事務、採点、校務分掌、保護者対応、ICT関連業務などを行っているのが現状ではないでしょうか。

 各学校では、コロナ以降、学校訪問、現職教育、各種研修、市教委からの指示などが増えつつありますが、これらを行う時間は十分に確保されていません。(休憩時間または勤務時間外にまたがることが多い)つまり「時間外職務命令」を前提としたものということです。これこそが定額働かせ放題ではないでしょうか。

 教員としての力量向上は大切でしょう。であれば、それを行うための時間確保が必要です。市町教委が独自に「これをやってほしい」と思うなら、その分の教員を追加配置する必要があります。

 勤務時間外に仕事をしなくてよい環境整備を各教委・各学校で進めてもらいたいものです。普通にやっていれば勤務時間内に終わる、勤務時間外に行うのは真の意味での自主的自発的活動(さらに良い授業を行うための教材研究など)に限定してほしいものです。

 

この10年間で減ったものは

・部活動(小学校は南知多以外廃止、中学校は時間短縮)

・家庭訪問(ほとんどの学校では廃止と聞いています。)

・運動会の半日化、学習発表会の廃止または半日化

くらいです。月残業80時間超えが常態化していたわけですから、この程度では不十分です。

ICT関係や各種研修はむしろ大幅に増えていますから。

 

                                2024年5月26日

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知教労2024年度始動

 2024年3月20日、半田市において、知多地方教職員労働組合(知教労)定期大会が開催されました。

 部活動の地域移行や、時間外勤務の上限指針など教員や学校現場において、改善していこうという動きはみられるものの、遅々として進まないこと、休憩時間が取れないことに対して、いくつかの職場で校長との交渉や話し合いが行われたが、校長によって遵法意識に差異があり、改善は道半ばであることが報告されました。

 

 また、教育を巡る情勢としてイスラエルやロシアによる軍事行動に対しての問題意識、物価高による教育への影響、労働組合の意義が再認識されていることなどが話題となりました。

 定期大会において選挙が行われ、2024年度は以下の体制で行うこととなりました。

 

執行委員長      市野 司   (勤務校)東浦町立西部中学校
執行副委員長   佐田  京美 (勤務校)大府市立大府中学校        
書記長            岩澤 弘之  (勤務校)常滑市立鬼崎中学校
 知教労は今年度も、知多地方の学校現場が働きやすくなるように、組合員間の情報交換、相談、法律等知識の共有、あるいは愛教労(県組織)と協力して各市町教育委員会、学校長などと交渉、話し合いを進めていきます。(昨年度の内容は左:資料室参照)
 組合加入はいつでも大歓迎。左下連絡先へお知らせください。また、組合員以外でも、知多地方の小中学校に勤務されている方(教諭に限らず非常勤講師、図書館司書など非常勤職員含む)の相談は随時受け付けています。職場の働き方(勤務時間等)、管理職の発言などでおかしい、納得できないこと(パワハラ等)がありましたら、ぜひお知らせください。
                               2024年4月1日

 

 

連絡先

知多地方教職員労働組合

事務局

 <住所>

 470ー2201

 愛知県知多郡阿久比町
 白沢字北石根15-4

<Tel. Fax. >

0569-77-4955

   

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